田中清人作 勾玉 新潟県糸魚川産のロウカン翡翠長さ約4cm 部分的に軟玉が混じっています 縄文時代の勾玉の形状、雰囲気が出るように試みました 糸魚川産の翡翠 長さ4.5cm これは古代の勾玉にはない形状 同じく糸魚川産の翡翠 長さ2.4cm 兵庫県篠山川産カルセドニー 長さ5cm これも古代の勾玉には見られない形状 同じく篠山川産 碧玉 長さ4.9cm これは弥生時代の完成された勾玉の形状と言える 篠山川産 カルセドニー(マット仕上) 長さ4.5cm 篠山川産 碧玉 長さ4.1cm 反対側 篠山川産 玉髄(石英の一種)と思われる 長さ4.2cm 硬度は7位、ヒスイのような粘りがある 篠山川産 碧玉 長さ3.2cm 篠山川産 めのう(カルセドニー) 長さ3.2cm これも古代勾玉には見られない形状 篠山川産 めのう(カルセドニー) 長さ2cm 長崎県産翡翠の勾玉 自作のものではありません 右の大きい方は長さ約6cm、小さい方は長さ3.5cm 日本の翡翠産地は新潟県の糸魚川市と 西頸城郡が有名ですが 他には、ここ兵庫県北部の大屋町 山陰の鳥取県若桜町でも確認されているということです 兵庫県産のものは、新潟産のように 色の付いたものは今のところ発見されておらず 翡翠成分そのものの白色のものばかりだということです 鳥取県産のもには美しいラベンダー色のものが発見されています 長崎産の翡翠は当地の古代遺跡から発掘された勾玉にも 確認されているということです 糸魚川産のものとは質感、色あい 共にずいぶん違った印象を受けます 原石を加工してみると 糸魚川のものと同様強靭な石質ですが やや脆さを感じました 糸魚川産の翡翠で作られたリング 作られた時代は不明です 直径5.5cm 大きな勾玉です 長さ9.5cm 石質を同定できません 石に詳しい人に訊ねても 判りませんでした 比重はそれほど重くはなく 硬度も硬いものではありません 10年ほど前に 古美術店で見つけたものですが それほど古いものではなさそうです 水晶で作られた勾玉 長さ7cm これも古美術店で見つけたものです それほど古いものではありません 不思議な造形・・ おそらく中国製と思われ、ごく新しいものです 長さ10.5cm 迫力があります 緑色のところは非常に硬いが 白っぽい部分は石膏のように柔らかい 人造物の石かとも思いましたが どうもそうではなさそうです 不思議な動物であります・・ 参考として 日本で出土した代表的な勾玉を 紹介しておきます 島根県の命主社遺跡から出土した 弥生時代の勾玉 福岡県周船寺(すせんじ)の 観音山古墳から 出土したとされる首飾り 兵庫県神戸市にある白鶴美術館に 所蔵されているものです これは京都府園部町にある 垣内(かいち)古墳から出土した勾玉です 糸魚川産の翡翠で作られていますが 石質は宝石級です 佐賀県吉野ヶ里遺跡から出土したもの この勾玉も宝石級の翡翠で作られています 原石は新潟県糸魚川産と思われます その他 縄文時代の翡翠の装飾品 勾玉は日本独特のもので、これまで朝鮮半島を除いて世界の他の地域では出土していないようです。朝鮮半島から出土したものも日本で作られたものであるということが今日では判明しています。 日本では、縄文時代後期(紀元前2000年頃)から古墳時代後期(6世紀頃)まで勾玉が作られ続けました。その間約2600年間作られ続けたことになります。 縄文時代の勾玉は翡翠で作られたものがほとんどですが、時代が下ると碧玉(へきぎょく)、瑪瑙(めのう)など他の石でもつくられるようになり、古墳時代になるとガラス製のものから硬度2の柔らかい滑石(爪でも傷が付く)で作られたものまで現われます。これは明らかに量産されたものと思われます。そうして勾玉は姿を消していきます。滑石で作られた勾玉は、当時日本に入ってきた中国の神仙思想の影響で(滑石は不老長寿の薬として珍重されていた)その滑石を使って勾玉を作ったのだという説もあります。 形状を見てみると、作られ始めた縄文時代には歪(いびつ)なものが多く、穴の位置も開いていればいいという感じです。形状は胎児を模したものだという説もあります(参照)それが、時代が下るとともに洗練されていき、弥生時代後期から古墳時代前期にかけて完成されます。 この頃作られた勾玉の中で最高のものと思われるものは上に紹介したように島根県の命主社遺跡から出土した弥生時代のものでしょう。これは翡翠の質も宝石級です。それから福岡県周船寺(すせんじ)の観音山古墳から出土したとされる首飾りに付けられた5個の勾玉、これらは形状は独創的で、翡翠の質もかなりものもです。 勾玉は現在でも多く作られ、ストーン・ショップをはじめ近頃では携帯電話のストラップとして、コンビニでも見かけることもあります。 勾玉の加工について 勾玉について Back Home |